チェコ留学日記 (医師編)

チェコへ臨床医として留学してみた日記

自転車選手のデータ

 先日今年のtour de Franceの優勝者であるChris Froomの体力測定のデータが公表された。普段はこういうデータは公表されることはないが、この15年来自転車業界はドーピング問題に晒されており、1999年以後2010年までの12回のtour de Franceのうち実に9回で優勝者が大会後にドーピング陽性となり失格となっている。これを受けて体力測定を行って自分がクリーンだと示すための手段のようだ。

 そのデータはやはり自分にとっては到達しえない領域だ。持久系種目において大事な項目の一つ、最大酸素摂取量(VO2 max)は84.6mL/(kg・min)だそうだ。自分は35歳時に実測したのが最後だが70mL/(kg・min)であり、この15ml/(kg・min)の大きさの違いは果てしない。ちなみに、心臓移植の適応基準の一つにもなっているため検査に付き添ったこともあるが病院内で検査している限りは当然お目に掛かることはない数値である。当然レースなのでこれ以外の数値も重要なのだが、やはり一流のアスリートは自分と比較するのも恐ろしいモノだ。ただ、昔と違い客観的な数値で色々と一流選手のデータを知り、自分と比較出来るのはおもしろい世の中だ。